One common story in the world

第五十六章   「祭りは準備の時が1番楽しいと言うけれど」

  

 

あぁ、今年も またやるんだね。

去年も一昨年もやったんだ、もう引けねぇだろ。

でも、また執行委員の先生から注意受けるよ?

いいんだよ、なんだかんだ言って
あれで人が集まるのも事実なんだからよ。

でも、さすがに1枚800円は・・・



「あのさ、さっきから何してんの?」

「ぬわぁ!!」

部室の隅でしゃがみ込みながら
ヒソヒソと会話をしていた優奈と通。
そこへ突然の来訪者が現れ驚きの声を上げる2人。

「ん、なんだ結衣か、驚かすなよ・・・。」

「わざわざ呼んどいて、なんだとは何よ!?」

来訪者は結衣だった。

「まぁまぁ、上条さん落ち着いて。」

結衣の後ろからひょっこりと
優華が顔をだし結衣をなだめた。

「おう、天堂も一緒か。
 よし、メンバーは揃ったし、はじめるか。」



― 数時間前

「この学校は文化祭は6月なんだね。」

生徒たちが部活以外で
もっとも活き活きとしている時間、昼休みに
優華は朝配布されたプリントに目を通しながら言った。

「普通は10月とかだよなー。
 しかもうちは1、2年が模擬店で3年は自由参加のみ、
 なんかいかにも受験を考慮してますって感じだよな。」

優華の隣で紙パックのジュースを飲みながら三宅は答えた。

「部活での模擬店は無いの?」

その質問に今度は
優華の向かいに座っている優奈が答える。

「文化部のみ模擬店を許可されてるよ。
 この時期運動部は大会近いからねぇ。」

「そ、まさしくこの学校ならではだよ。」

ジュースを飲み終えゴミとなった紙パックを
ゴミ箱に放り投げながら三宅は言った。
同時に次の授業の始まりを告げる
チャイムが教室中に鳴り響く。

そして見事に紙パックは軌道がそれ、
ゴミ箱に入ることはなかった。
入らなかった紙パックを
ゴミ箱に入れ直し席に戻る三宅。

「文化部ってことは、一応メダロット部も
 文化部だからなにかするの?」

各々が席に戻る中、優華は隣の席の優奈に尋ねた。

「う、まぁ、お好み焼きを少々・・・。」

どこか言いにくそうに呟く優奈。

すると突然後ろから

「『ぼったくり』が抜けてるわよ、柊くん。」

結衣がひょっこりと顔をだし言った。


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