Life・らぁいふ・メダロット!

第十四章   「警視庁24分っ!」

  

 

世間をにぎわす「大泥棒・新之助」。
その存在に半信半疑のカスミだったが、
花屋の店員が大泥棒・新之助だという
証拠を掴んでしまった。
こうなればもう、やることはただ一つ・・・。



「今から大泥棒・新之助、
 正体を突き止めろ作戦を決行しまーすっ!!」

「オナカスイタっ!」

「・・・はぁ。結局、お供はハニーフォースだけかぁ。
 紅蓮は修行で鈴姉は経営、ジイちゃんもPTA総会だしぃ」

「オ、オナカスイタァ・・・」

「くっそぉー!!
 こうなりゃ背水のうんたらかんたらだぁ!!
 ガッツだよ、ハニーフォース!」

「オナカスイターっ!!」

ひまわりの種を片手にハイテンションのハニーフォース、
無理に気持ちを高ぶかせるカスミ。
やはり大泥棒・新之助の証拠を掴んだのだから、
放っておくわけにはいかない。
早速、犯人の無愛想な店員を調べることに。

「あ、あ、あのぉ!
 この花屋の店長さんは誰ですか?」

「?、私ですが。どうしたのですか」

「さっきまでいた無愛想な店員のこと、
 詳しくおしえて下さいっ!」

「う〜ん。
 お譲ちゃん?それは個人情報保護法っていう
 ものがあってだね・・・」

「こ、古人チョー保護法!?
 日本政府っていつそんなにバカなったの?」

「オナカスイタ?」

「・・・ふぅ。
 住所などは言えませんが、
 とりあえず言える範囲ですと・・・。
 名前、ぐらいですかねぇ。
 一週間前雇ったばっかで、
 私も未知数のことが多々で・・・」

「な、名前だけですかぁ!?」

それは何とも困難であった。
その男は、一週間前にバイトで雇い、名前はナルミ。
この2点、それだけしか分からなかった。
だが、ここから無理やり想像を膨らますカスミ。

「よ〜く考えて見れば、
 もしアイツが泥棒なら、町を転々とするハズ。
 だったら、それ以上は不明なのも説明がつく!!」

「オ、オナカスイタ?」

「やっぱり、ナルミって奴が犯人なんだぁーっ!
 早速、警視庁に電話しよーっ!」

「オナカスイタッ、オナカスイタッ!」

グイグイッ

「ど、どうしたの、ハニーフォース?
 だからテントウムシのおもちゃは・・・!」

「オ、オナカスイタッ!!」

「へぇ?ち、違うの?・・・・って!!!
 あ、あんな所に大泥棒・新之助がいるーーっ!」

大泥棒をつきとめたと確信し、
携帯片手に電話しようとするカスミの服を、
ハニーフォースが引っ張る。
ふと、目を向けると、そこには、
本屋で本を立ち読みしているナルミの姿あった。

「本屋で立ち読みしてるよ。
 絵本でも読んでたら愉快なんだけどなぁ」

「オナカスイタァ」

「あっ!
 もう移動するみたいだよ。
 よぉ〜し、何の本を読んでいたか、
 見に行ってみようっ」

ナルミが去った後、
カスミは急いでナルミが
先ほどまでいた場所に駆けつける。
そして、本を調べると・・・・。

「な、な、何ぃいーーー!?
 ”バブバブ、赤ちゃん教育本”
 なんて読んでたのぉ!?」

「オ、オナカスイタッ!」

「はっ!!ま、待てよぉ・・・
 そうか、わかったよハニーフォース!」

「オナカスイタ?」

「アイツが次に盗もうとしているもの・・・
 それは人の心よっ!!
 どっかの有名な刑事も言ってたじゃない!
 ってことは、あのナルミって男、
 人妻の心をワシ掴みにしようとぉ・・・」

ゴソッ

「・・・ハチマキ、おまえ敵か・・・?」

「ん?・・・あ、あぁああーーーーっ!!
 大泥棒・新之助ぇえーー!!」

ナルミという男が読んでいたのは、赤ん坊の教育本。
それに驚きを隠せないカスミだが、さらに驚く事態が。
何と、さっき去っていったハズのナルミが、
カスミの目の前にいるのだ。

「・・・し、んの、すけ・・・・?」

「えっ、あっ、そ、そのぉ!!
 アンタの正体、誰にも言わないから大丈夫だって!」

「・・・オレは、ナルミ・・・・。
 正体も何も無い、ハチマキ・・・」

「ア、アタイはハチマキじゃないやい!
 アタイは仲居カスミっ!
 ってか、アンタ新之助でしょ!!
 今さら野原一家とか言っても、遅いんだかんね!」

「違う、・・・いや、それ以前に・・・。
 ・・・オレ、記憶喪失なんだ・・・」

「!?」

自分が新之助では無いと、断固貫くナルミ。
それを攻め立てるカスミだが、
何と、ナルミは記憶喪失だという事実を知る。

「で、でも、メダロッチあるじゃないかぁ!!
 そのメダロットに自分が誰かを・・・」

「・・・なぜか、答えない・・・。
 まるで・・・相当な訓練をされてるみたいにな」

「(それじゃぁ、あの紙キレも
 証拠になんないよぉ・・・)
 じゃ、じゃぁさ!!
 何で”バブバブ、赤ちゃん教育本”を
 読んでいたのさぁ!アンタは人妻の・・・・」

「・・・本なんて、どうでも良かった・・・・。
 さっきから、つけられてる気がしてならなかった・・・・。
 だから・・・こいつをエサにして、引き寄せた・・・・」

「へぇ?
 (アタイの行動、見透かされて、た・・・?)」

その男の観察力に、しばし驚くカスミ。
だが、やはりこの男が
泥棒だという疑いは晴れないことは事実。

「もーっ!一体誰が大泥棒・新之助なんだよぉ!!
 まさか、本当にクレヨンしんちゃ・・・・」

「・・・オマエ、余所者を疑ってたな?」

「そ、そりゃそうでしょ。大泥棒・新之助は各地を
 回って宝石や名画、金品だか きんぴらごぼうを・・・」

「ククッ・・・その考え、間違いでもない・・・。
 というより・・・すでに答えに辿りついている」

「はぁ?ど、どーいうことだよぉ!!」

「・・・可笑しいと、思ったぜ・・・。
 身元もよく分らない奴を採用する店長が何処にいる?」

「え?も、もしかして、あんた・・・!!」

「・・・あの野郎、オレを身代わりにしたワケだ・・・。
 それに、オマエは見事にハマっちまっただけ」

「お、大泥棒・新之助の正体が・・・あの花屋の店長!?」


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