Life・らぁいふ・メダロット!

第十五章   「賭けるもの」

  

 

大泥棒・新之助の犯人が「ナルミ」という
花屋の店員だと信じ込むカスミ。
だが、話してみると彼は記憶喪失ということがわかる。
しかし、それよりも驚くべきは、何と、
本当の大泥棒・新之助の正体は・・・・!!



「さぁ〜ってと、この町にいるのも退き際だな。
 さっさとズラか・・・・」

バタンッ!!

「はぁ、はぁ・・・ちょ、ちょっと待ったぁーーー!!
 大泥棒・新之助ぇーー!!」

「!?、な、何者だっ!!」

花屋を閉めて、ひそひそと
夜逃げの準備をしている店長。
それを見つけて、駆け出すカスミ。
やはり、大泥棒・新之助の正体は・・・・。

「アタイは仲居カスミっ!!
 あんたを捕まえにきたよっ!
 (うっわぁ〜!!何か燃える展開っ!
 後で紅蓮に自慢しちゃおうっ)」

「フフ・・・ハハッハッハッハ!!
 やるな、少年。私をここまで追い詰めるとは」

「しょ、少年じゃなーーいっ!!
 ハチマキだけで人を判断するなっ!
 くっそぉ〜、やっぱしアンタの正体は・・・!」

「フフフッ・・・その通り、花屋の店長は仮の姿。
 その正体は、今もっとも世間をにぎわす大泥棒!
 ちなみに、今週のメダロット通信、
 将来なりたくない人物No1!
 大泥棒・新之助だぁっ!」

「ちょっと同情したくなる自己紹介はさておき、
 新之助・・・アンタを捕まえる!!」

「フフッ・・・できるかな?少年」

「お、乙女に向かって2度も少年だとぉーーーっ!!
 ゆるさん!ハニーフォース、捕まえるよ!」

ちょっと物寂しい自己紹介と共に、
正体を現した大泥棒・新之助。
カスミは、ハニーフォースと共に
大泥棒・新之助のもとへ突撃するが・・・。

「甘いな、少年っ!!」

ズカッ!!

「うわぁあああ!!・・・お、落とし穴ぁ!?
 花屋に落とし穴なんて掘るなぁーーーっ!!」

「私の本職は栽培のために穴を掘るのではなく、
 人を落とすために穴を掘るからね。
 分かるかい、少年?」

「あ、あんた、ワザとでしょ!!
 少年、少年ってぇ・・・!!」

「・・・だって、少女探偵団って聞かないだろ?
 君が少年になってくれれば、まだ私も盛り上がるし」

「何でアタイがオマエの楽しみのために、
 性別変換しなきゃいけないんだよー!!
 さっさと出せーっ!」

「・・・まぁ、なんにせよ楽しかったよ。サラバだ!!」

見事、新之助の罠の落とし穴に落ちてしまうカスミ。
ハニーフォースと共に もがき苦しんでいる間に、
新之助は颯爽と花屋を出て行ってしまう。
もはや、ダメかと思われた矢先・・・。

「フフフッ・・・所詮は子ども。
 私の相手ではない。
 さて、次の獲物をどれに・・・・」

「・・・・・・・・待ちくたびれたぜ、大将・・・・」

「な、何奴っ!!・・・
 き、貴様は・・・・ナルミ!」

新之助の逃亡途中に、待ち伏せをしていたナルミ。
不気味な笑みをこぼし、ゆっくりと新之助に近づいていく。

「共に一週間ばかし店を経営した仲だ。
 素直に道を通すというのならば、
 私も君を無傷で逃がそう」

「ククッ・・・クズの骨頂だぜ、アンタ・・・」

「何?」

「・・・・逃がそう・・・・?
 冗談だろ・・・・逃がさない、オレが・・・」

「刃向かうと言うのか、この大泥棒・新之助にっ!!
 ならば、こちらとて容赦せん!
 出ろぉ、カブトベニアルっ!」

不気味な視線で、新之助を圧倒するナルミ。
ナルミの出せる只ならぬ気配を、新之助は無意識に感じる。
その新之助は、KBT型カブトベニアルを出し、
ナルミにロボトルを仕掛けようとしていた。

「ロボトルだ、ナルミ!!貴様のメダロットを出せ!」

「ククッ・・・何甘いこと言ってんだよ・・・。
 オマエがオレに負ければ・・・足止め喰らう・・・。
 オマエが勝てば・・・オレは暴行を受ける」

「だからなんだ?」

「ここまでやってんだ・・・
 もっと、狂気に走ろうぜ・・・。
 これだ・・・・・こいつを賭けよう」

「?」

ナルミがそっと右親指を突きたて、
自分自身、頭部へと指を向ける。
それを見た新之助、直観。
そして笑い始める。

「フフッ、ハハッハッハッハー!!
 そうか、人質となると言うのかっ!
 (なるほど、敗北すれば奴は人質になり、
 勝てば私が捕まることになる!
 中々おもしろい勝負・・・)」

「・・・・暗くて見えなかったのか・・・?
 もう一度、よく見てみな・・・」

「え?・・・・・・・・
 ・・・・・あ、あぁあっ!!!」

「・・・・・ククッ・・・・・・
 目ん玉・・・・・目玉だよ・・・・・・」

自分の身を人質にするかと思うと、この男、
まったく別のことを示唆していた。目、目玉。
目を賭けると言い出したのだ。

「なっ!!!き、貴様、
 何を言っているか分かっているのか!?
 たかがロボトルで・・・・」

「・・・ククッ・・・その発想が下らない・・・。
 勝つか、負けるかを・・・失うか、勝つかにしただけ。
 どうだ?・・・こっちの方が、ずっとおもしろい・・・」

「っ!!く、狂ってる・・・貴様、狂ってる!!」

「・・・・逃がさねぇよ、オマエ・・・・・。
 オレを利用した分・・・・
 キッチリ、制裁してもらうぜ・・・。
 メダロット、転送・・・!」

まさに、常人の発想を覆す、危険なロボトル。
ナルミの恐ろしい賭けに、
新之助は半ば無理やり、承諾させられる。
ナルミは依然と、不敵な笑みを浮かべる。
まさに、「死神」のように・・・・。
すると。

ザッ!

「はぁ、はぁ、はぁ!!
 ナ、ナル兄ぃ!!
 新之助を捕まえててくれたんだねっ!」

「見てろよ、カスミ・・・。
 おもしろいもんが見れるぜ。
 常軌を、ぶっ飛ばすほどにな・・・」

「定規をブッ飛ばす?
 算数に恨みでもあるの?」

「フンッ!また子どもが現れましたか。
 しかし、もう時間は無駄にはできない!
 さぁ行くぞ、カブトベニアル!!」

「ナ、ナル兄、来るよ!!
 えぇ〜と、ナル兄のメダロットは・・・
 BAF型ブラウンバイソン!
 よくわかんないけど、勝てるよね!!」

「・・・・・・・・さぁな・・・・・」

「へぇ?な、何で?」

「ロボトル・・・今日が、初めて・・・」

「え、えぇえええーーーーっ!!!!」

追いついたカスミ。
ナルミのメダロット、
ブラウンバイソンを見て尋ねるが、
その質問の答えにカスミは驚愕する。
そう、ナルミはロボトルが、人生で初めてだった。


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