第十七章 「宇宙人か、アイドルか」
大泥棒・新之助とロボトルをした初心者のナルミ。
初心者とは思えない才能を発揮し、見事、勝利を飾る。
その後、ナルミは何処かの国の
スパイだということを、聞かされるのであった。
「ハニーフォース、平和だねぇ。
何か前にも同じセリフ言ったと思うけど、
何か刺激が欲しいよねぇ〜」
「オナカスイタ」
「ん?・・・あっ!!あんな所に
紅蓮がいるっ!紅蓮ーーーっ!!」
平和な日常を退屈に過ごすカスミとハニーフォース。
すると、彼女らの目の前に、目隠しをした
紅蓮が
よろけながらも歩いているのを発見する。
「よっ、紅蓮!!
アンタが町に下りて来るなんて珍しいじゃん!
ってか、何で目隠しなんかぁ・・・」
「むっ・・・この声。
駄菓子屋の梅バーちゃんだなっ!!」
「だ、だ、誰が梅バーちゃんだっ!!
アタイは仲居カスミっ!
ピチピチの小学生だっつーの!」
「?・・・カ、カスミか。
っく、やはり俺は まだ未熟!!
今日から一週間、俺は3時のおやつを自粛する!」
「・・・やってることはバカなんだけど、
考えてることはアホなんだよね、アンタ」
「まぁ、良い。ここで出会ったのも何かの縁だ。
カスミ、2時のおやつに付き合ってくれ。
絶品のよもぎ餅をおごってやるぜ!」
「へ?・・・ま、まぁ、良いけどぉ。
(アンタが絶品のバカだけどね)」
言っていることが矛盾しまくりの紅蓮を、バカ視するカスミ。
だが、そんなことを言いつつ、やはり紅蓮に
ついて行くカスミとハニーフォース。
駄菓子屋で一緒によもぎ餅を食べる二人と一体。
「く、くやしいけど、このよもぎ餅、おいしいし・・・。
そういえば紅蓮。アンタ何で目隠しなんかしてたの?」
「もぐもぐ・・・ぐが?うべばぼびばは、ぐがぎ」
「口を空にしてから、喋りなさいっての!!」
「ごっくん!!・・・うむ。これも修行の一環でな。
無視覚の中で、自分の感覚のみを頼りに
道を進むという特訓だ。どうだ?
ハニーフォースもやってみるか?」
「オナカスイタッ!!」
「こ、こ、こらぁ!!アタイの
ハニーフォースを間違った道に進ませるなぁ!」
「まったく。俺達は今、道など歩いていないだろう。
ん?・・・カスミ、あれは何だ?」
「へ?
どうしたのよ、紅蓮」
「き、気になるっ!!
ちょっと来い、カスミ!!」
「えぇ!?
ま、待てっての!!」
どうやら、紅蓮は暗闇での戦闘の特訓をしていたようだ。
のん気によもぎ餅を食べている二人と一体だが、
紅蓮が何かを見つける。それに興味を示し、
カスミを無理やり連れて行った所とは・・・・。
「はぁーーいっ!!
今日もアタシのコンサートに来てくれてアリガトーッ!!
ミコ、頑張って歌うから、みんなも元気に歌ってねーっ!」
ザワザワッ
「カ、カスミ、何だアレは!!
ダンボールの上に乗って、
宇宙人の服をした女が叫んでいるぞ!」
「ち、違うって。
う〜ん、アレは路上コンサートっていうやつかなぁ。
それにしても、やってる本人はノリノリだけど、
全然 客いないじゃん・・・」
そこにいたのは、路上コンサートをしている女の子であった。
その奇抜なファッションを、「宇宙人」と解釈する紅蓮。
彼にとっては、そのような衣装は珍しかった。
だが、それにしても殺風景。
「それじゃぁ、アタシのテーマソング、
”メダメダ音頭”いっきまーすっ!!
アタシの〜、メダロットは〜♪」
「お、おいっ!カスミ、
歌だ、歌を歌っているぞ!
宇宙人さんが歌を歌っている!」
「メ、メダメダ音頭ぉ?
くっだらなーい。早く行こうよぉ、紅蓮」
「ま、待て!宇宙人さんとお話がしたい!
おーーいっ!!宇宙人さん!
ようこそ、地球に・・・・」
「?・・・わぁーーっ!!
やっとアタシのファンができたんだねっ!
歌の途中だけど、サインをあげちゃいます♪」
「おぉ!!
う、宇宙人さんが、俺の言葉を理解した・・・!!」
宇宙人と解釈して、ただ一人、興奮する紅蓮。
しかし、カスミは打って変わって、
その女性にドン引きの眼差しを送る。
そして・・・。
「おぉおおーー!!
こ、これが宇宙文字!かたじけない・・・!」
「ってことは、夢野ミコ
会員クラブNo1だねっ、アナタ!
次の公演は1週間後だから、絶対に来てね!」
「ちょ、ちょっと紅蓮!!
早く行こうよ。アタイ、
もう飽きちゃったぁ!」
「・・・フンッ、何よアンタ。
アタシのコンサートを邪魔するつもり?
アタシが可愛すぎるからって、
ひがむのは止めてよね!」
「は、はぁ!?」
ミコと名乗る少女からサインをもらって、上機嫌の紅蓮。
だが、それに噛み付くカスミ。その様子を見たミコも反応した。
どうやら、ミコは中々トゲのある性格のようで。
「ひ、ひがんでなんか、ないやいっ!!
だいたい、客も全然
来てないのに何がコンサートだよ!!」
「う、うるさいわね!!
でも事実、アタシのファンがいるじゃない!!
ほらっ、彼がね!」
「見てみろよハニーフォース!!
これが宇宙文字だぞ、燃えてくるよなっ!」
「オナカスイタッ!」
「こいつはバカなの!!
だいたいアンタは一体なんなのさっ!
さっきとは打って変わって
生意気な性格になってぇ〜!!」
「フンッ、バカね。
アイドルは表では可愛い面をするのが常識。
裏ではちょっと生意気なのが王道なのよ」
「ア、アイドルぅ?
つーか、アンタは何者だよぉ!」
「アタシは夢野ミコ!アイドルを夢見る可憐な少女よ!
アンタみたいな一般庶民とは、何もかもが違うのよ!」
夢野ミコと名乗る、アイドルを夢見る少女。
紅蓮は勘違いをして興奮状態だが、
カスミは腹が煮え繰り返って興奮状態だった。
「な、何もかもが違う〜!?
アタイとアンタの何処か違うのよ!
つーか、色んな意味で同じになりたくないっての!」
「フンッ!アンタみたいな根性女、ワタシだって
同じ女として恥ずかしいくらいだわ!
このハチマキ女っ!!」
「な、何ぃい〜〜!!」
「何か文句があるのぉーー!!」
「お、おいおい、カスミと宇宙人さん。
異文化交流も良いが、
ここは普通の市民がいる町内だ。
もっと静粛に・・・・」
「「うるさいっ!!!」」
「・・・・・はい」
ぶつかりあうカスミとミコを
止めることができない紅蓮。
同じ町内に住むこの二人は、果たして、
仲良くなることはあるのだろうか。