メダロット・ゼノ

第一話   「今こそ解き放て!」

  

 

蓮の住む町、菩提町の北東に
位置する大きなビル、そこがデルタの本部だ。

「ここがメダロットの機動力や
 パワーなどを測定するデータ収集室だよ」
蓮はあれから葵の話を承諾し、
ゼノを使うモニターになる条件で、
デルタ幹部という大きな職に就いたのであった。

「へぇ・・・すごいなぁ。
 あ!あのメダロットは、なんていうの?」
蓮は15歳という若さで入社したため、
入社一日目の蓮にとっては同年代の葵が
唯一 仲良くできる友であり、上司だった。
「あぁ、そこにいる奴かい。
 あいつはスミロドナッドといって
 格闘主体のメダロットだよ。
 古いタイプだけど強力さ。」
葵は蓮に細かく説明し、メダロットとは
どんなものなのかを教えていた。
「いろんなのがいるのかぁ・・。
 大体わかってきたよ。」
蓮は葵に向かって、にこやかに返事を返した。
「そうか。じゃ、いよいよロボトルをしてみるか。
 『習うより慣れろ。覚えるより試せ。』が
 うちの教訓だからね。」
葵はエレベーターのボタンを押しながら言った。
それに合わせて扉がチーンと音を立てて開く。
「練習は どこでするの?」
蓮が乗り込みながら言った。
葵もそれに続き、乗り込んだ後、少し考えてから言った。
「ビルの屋上が射撃などの練習場になっていて
 使い勝手がいいんだ。そこなら迷惑も かからないしね。」
蓮は、そっかと笑い、左腕を見た。
腕には葵にもらった水色のメダロッチが光っていた。
しかし、その中にはメダルは入っていなかった。
葵いわく、ゼノのメダルは『レアメダル』といって
珍しく、貴重なものなのだそうだ。
しかし謎が多く、機能停止しない限り、
メダルが排出されないので、連れたまま一緒に
行動するしかないそうなのだが・・・
「ああぁぁ〜〜ゼノ、何処に居るんだよー。」
ゼノの姿はなく、蓮が嘆く姿と
その隣で苦笑する葵がいるだけだった。
「まぁ、そのうち来ると思うよ。
 落ち込まなくてもゼノは結構いい奴だから―」
「―すまない!蓮!」
その時、エレベーターが開き、ゼノの姿があった。
「あああ!何処に行ってたんだよ!もぅ〜。」
蓮が安堵の表情を浮かべ、詰め寄った。
「(あ、長くなりそう・・・)
 じゃ、じゃあ先に屋上に行ってるね(焦」
ぎこちなく笑い、ボタンを押す葵を見て、
蓮は おかしくなってニヤリと笑った。
「ま、それはそうとゼノ、何処に―」
「―いや、その・・・だから・・・」
ゼノは何が恥ずかしいのか、どもった。
「言ってみろよ。怒んないから。」
諭すようにして先を促す蓮。
「えっとー怒んなよ?
 ・・研究員の人が食ってたスイカに
 目を取られて見失っちまった。」
「・・・・・・ぷっはっはっはっは!!!
 ス、ス、スイカぁ、あははは!
 やっぱり虫だから刺激されるのかぁ!」
恥ずかしそうに事実を告白したゼノは
蓮に笑われて蒼いボディが赤に染まるほど
恥ずかしくなり必死に弁解した。
「いや、だから、
 おいしそうだなぁって思って。(=・m・=)」
アタフタしながら弁解するゼノをよそに
蓮は まだ馬鹿笑いしていた。
「いや、だってメダロットは食べ物って
 取り込めないんでしょ?
 やっぱり見とれてたんじゃん。」
横目で攻撃するようにゼノを見ながらそう言った。
ゼノはビクッとした後、何もなかったかのように、
「早く行かないと待ってるぞ」
と蓮に教えた。
「ああぁぁっと忘れてた。行くよ!ゼノ。」
「はいさ!」
キリッと動きを切り替えた蓮は
ゼノを連れて屋上へと向かった。
「今こそ力を解き放て!ゼノ」
「分かってるよ」
ポチっとボタンを押す蓮。
そこにチョコンとついていくゼノ。
二人の物語が今、始まる。


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